第26回GJS講演会を開催しました

2018.05.22
タイトル: 近世日本における個人性
講演者: ピーター・ノスコ教授(カナダ・ブリティッシュコロンビア大学)
日時: 2018年5月15日(火), 15:00~17:00
会場: 東京大学東洋文化研究所 第一会議室(3階)
使用言語: 英語

GJS講演会の報告

5月15日、コロンビア大学のピーター・ノスコ教授を招いて「近世日本の個人性」と題する講演会が開催されました。講演は、ノスコ教授が最近、英語と日本語でそれぞれ出版した『徳川日本の個性を考える』(東京堂出版、英語版はIndividuality in Early Modern Japan: Thinking for Oneself, Routledge, 2018)に基づいたもので、「日本における個人性は、こんにちよりも200年前のほうがより顕著であったか」との刺激的な問いを中心に展開されました。教授は冒頭、なぜこの問いに至ったのかを説明し、なぜ、一般の常識に反して、江戸期の日本が明治時代、そして現代よりも個が際立っていたと言うことができるのかを、只野真葛の著作、日蓮宗の「不受不施派」などさまざまな実例を挙げて詳細に論じました。続いて行われた討論は、最終的に英語のindividualityをどう訳すかという点に集約し、複数の言語をまたいだ歴史的研究における言語と文脈の問題の重要性を浮かび上がらせました。

当日の様子