(科研)東京学派の研究

「東京学派」研究は、近代日本において、東京大学を中心として形成された学術が、いかなる問題系を構成し、それがどのような思想的、政治的、社会的な影響を与えたのかを、国際的な角度から総合的に研究し、新たな研究プラットフォームを作り上げることを目指す。東京大学は1877年の創設以来、欧州で育まれた学術のグローバル化の先陣を切り、現代に至るまでアジアにおけるその中心地となってきた。西田幾多郎らに代表される京都学派に対し、脱中心化されてきた東京学派の影響はかなり複雑な仕方で日本社会全体の構造に浸潤しており、このことが、同学派の批判的考察を困難にしてきた。しかしグローバル化がさらに進展するにつれ、同学派の実態をあきらかにし、近代日本学術の経験を国際的に共有する必要性が高まっている。本研究では、人文社会科学を中心に、東京学派という発見的な概念から、近代日本学術の経験を明らかにしたい。

メンバー

  • 研究代表者
    中島隆博(東京大学 東洋文化研究所 教授)
  • 研究分担者(かな順)
    大木康(東京大学 東洋文化研究所 教授)
    小野塚知二(東京大学 大学院経済学研究科 教授)
    鍾以江(東京大学 東洋文化研究所 准教授)
    園田茂人(東京大学 東洋文化研究所 教授)
    馬場紀寿(東京大学 東洋文化研究所 教授)
    松方冬子(東京大学 史料編纂所 准教授)