現代日本の恋愛小説における女同士の友情
日時: | 2016年6月23日(木)15:00-16:30 |
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場所: | 東京大学 東洋文化研究所 第二会議室(3階) |
講演者: ルチアナ・サンガ(スタンフォード大学東アジア言語文化学科 博士課程)
講演概要:2002年、恋愛小説『肩ごしの恋人』が直木賞を受賞した。作者の唯川恵は十代の少女向けのコバルト雑誌でデビューし、80年代は少女小説の書き手として知られていた。唯川恵の少女小説では主人公の少女は常に他の少女と強い絆で結ばれ、ハンサムな男子に憧れても、結局恋愛より友情が必要だと気づき、異性愛を延期する。このような、「異性愛に勝る女同士の友情」は、戦前の少女小説から80年代のコバルト小説まで、形を変えながらも追求されてきたテーマである。本発表では、本作を通して、(1)少女小説と恋愛小説いう2つのジャンルの関係性、(2)現代日本における恋愛の概念(3)少女小説が現代の日本文学に与えた影響を考察する。
主催:東京大学東洋文化研究所