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第19回GJSセミナー琉球使節の江戸参府からみた幕末から明治への転換

日時: 2016年4月21日(木)17:00~18:00
会場: 東京大学東洋文化研究所 第一会議室(3階)
発表者: ティネッロ・マルコ (法政大学沖縄文化研究所 日本学術振興会外国人特別研究員)
使用言語: 英語
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発表概要: 私の研究のテーマは、幕末における徳川幕府・薩摩藩・琉球の関係についてである。先行研究では、幕末における琉球に対する幕府の外交政策についてほとんど注目されてこなかったが、本報告では琉球使節の江戸参府を通して幕府にとって琉球が重要な役割を果たしていたことなどについて論じる。
 幕府にとって琉球が清朝にも日本にも従っており、琉球使節を徳川将軍の威光を高めるための存在として、その意義を見出してきたが、幕末期において、琉球使節に新たな意義を与えたことに注目したい。すなわち、アヘン戦争後、西洋列強が東アジアの国々に圧力をかけていく中で琉球使節の意義付けも変化していったのではないかという点についても論じてみたいのである。そして、より視野の広い言い方をするならば、琉球使節というレンズを通して見ると、明治政府による琉球の併合は、一八四〇年代に西洋列強が日本を開国させるために、幕府に対して日本と琉球の本当の関係について説明を求めたことから始まった、一連のプロセスの結果であったことを明らかにしたい。

主催:東京大学国際総合日本学ネットワーク(GJS)
共催:東京大学東洋文化研究所
問い合わせ:gjs[at]ioc.u-tokyo.ac.jp