歴史家の音楽研究への挑戦
―音楽はなぜ専門家だけに委ねるには重要すぎるのか
日時: | 2015年5月19日(火)18:45 |
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会場: | 東京大学駒場キャンパス 18号館4階 コラボレーションルーム1 |
使用言語: | 英語・日本語 |
講演者: マーガレット・メール氏 (コペンハーゲン大学准教授)
講演概要:民俗音楽学の先駆者の一人であるブルーノ・ネトルは『Encounters in Ethnomusicology』という自伝において、「音楽を愛するにもかかわらず、西洋の知識人はそれを難解なものとし、「音楽家」とその他の人びとの間にはっきりした境界線を引いている」と書いている。M・メールは、最新の著書『Not by Love Alone: The Violin in Japan, 1850-2010』から出発して以下の論点を主張したい。音楽は何よりも人間的な活動であり全ての人間社会の全ての歴史段階に存在するものとして明らかに歴史研究者の研究領域の一つだろう。それは研究者自身が音楽家だという自己意識を持っても持たなくてもそうだ。従ってこの講演では、音楽をすることに関する歴史的研究が一般の歴史解釈にどの様に貢献することができるかという問いを立てたいと考えている。
講師略歴:ドイツ生まれ。専門は19世紀から20世紀初頭にかけての日本の歴史、特に歴史記述の問題、教育制度、音楽に関して。近年はバイオリンの歴史、日本におけるバイオリンの演奏史の研究を進めており、自身もバイオリンの演奏家である。ボン大学で博士号を取得後、エジンバラ大学およびスターリング大学などで教鞭を執った後、2001年より現職。近刊に Not by Love Alone : The Violin in Japan, 1850-2010 (Copenhagen, The Sound Book Press, 2014)
主催:東京大学大学院 比較文学比較文化研究室責任者:ヘルマン・ゴチェフスキ教授
問い合わせ:03-5454-6330(比較研究室)
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